公務員100年改善計画
【要旨】
短期の行政改革とは別に、あるいは現状を変えることはせずとも、
新規採用時、公務員試験の方法を変えることにより、
長期にわたって徐々に公務員全体の体質を改善する。
【本文】
わが国は明治維新、世界大戦以来の大変動の時代にあっても何も変えられないようにみえます。互いに利権を主張し、力の強いもの、数の多いものが強引に利権をもぎ取ってゆきます。一方、行政は本質的な改革が出来にくい状況にはまり込んでいるように思います
中国の科挙の歴史に始まり、朝鮮、日本へと伝わってきた公務員制度は長い歴史を経ても同じような問題を抱えているようです。また、滅亡した多くの国々は資本主義、共産主義、独裁主義など体制にかかわらず行政が多くの問題を抱えていたようです。わが国は、滅亡した国のようにむちゃくちゃな行政ではないかもしれません。しかしおおくの問題を指摘されています。
【現状】
わが国では公務員法の規定により競争選抜で採用を決定しています。
こうして採用された優秀な公務員の中には国民のために粉骨砕身しているものは少なくありません。しかし、優秀であるがゆえに法律の抜け穴を上手に利用し、合法、合理的に自分あるいはその繋がりのある者たちへの有形無形の利潤を図ることが少なからずあるようです。上司や政治家の意向に沿うように、あるいは、いわゆる天下り先での仕事を続けるために無駄な出費を計上していることが少なからずありました。これらは、すべて税金、あるいは財投から支出されて国民の財産を浪費しています。損失の大きさは隠蔽(調査しないことも隠蔽といえる)され続けています。既に国家は破綻の状態になっていると考えている人もすくなくありません。
また、地位の安定をよいことに仕事に対して必ずしも積極的ではないもの、決定事項を建前に国民に親切でないもの、いわゆるお役所的な公務員がまだまだ多いように見受けられます。
一方、粉骨砕身している同僚に対して、仕事に差が出ると出世に響くと困るからなのか、足を引っ張るということもよくあると聞きます。
仕事をしなくても給料と地位は保証されるので、効率をあげる努力より、極力仕事量を増やさないようにする姿勢や仕事を先送りする体質は、共産主義の悪弊のようではないでしょうか。(否、共産主義では地位は保証されるとは限らなかったようですから、もっとよくないかもしれません。)こうした体質のなかでよくない優秀さを発揮したひとつの象徴として、財界、政治家と接するうちに合理的にあるいは法を逸脱せずに、場合によっては逸脱して権益私益を上手に隠蔽して今日にいたっていた事件は記憶に新しいことです。
世界的に大変動の時代になっても旧態依然の公務員体質は問題を感じ粉骨砕身する公務員の努力を空しく断念させたり対応を遅くさせてしまいます。
やってもムダ、長いものには巻かれろの精神は公務員のみならず国民全体に影響しています。日々の生活に追われ、よい国を作っていく国民自身の努力は期待できなくなります。国家の財政は破綻へと進行し続け、誰も責任をとらず、大変動に本質的な対応ができない国になりかねません。
【問題点】
現状の競争選抜では公平に優秀な公務員を選定できます。
しかし、公務員の重要な資質である人々に奉仕する気持ちが少なくても、地位的、経済的な安定を得るために、いわば自分のために公務員になろうとするものが採用されてしまう確率が少なくありません。優秀なものは採用に際しても上手に取り繕うことが出来ます。
【対策】あるいは【方法】
競争選抜による学業優秀者の採用をやめる。
それに代わり、競争選抜により「第三者に思いやりがあり人々に奉仕する志のあるもの」を「選抜方法を試行錯誤しながら」でも採用してゆく。
優秀な者が必要なときは、その後に競争選抜を行う。
優秀なものは思いやりのある企画立案などそれなりのポストに、それほどでないものはそれなりの、たとえば思いやりのある直接国民に接するポストなどに配置してゆく。
もちろん現行の試験のように明確な採点は出来ないであろうが、試行錯誤しながら「志のある人材発掘試験」を繰り返してゆくのである。
【効果】
行政改革は難しいものがあります。公務員に大幅な改革を求めても抵抗することは理解できます。たとえ短期の改革が出来なくてもこの方法であれば現公務員に不利益はありません。効果の薄い改革を延々と続けることより、少し長い時間がかかるかもしれませんが、20年も続ければ確実に変わるこの方法を忍耐を持って続けることです。思いやりのある人材を採用し続けることによって、たとえ試行錯誤の途上にある試験であっても、またその結果多少異なる能力や性格の職員が集まったにしても、本質的に第三者に思いやりがあり人々に奉仕する志の公務員が増えてゆきます。そこで行われる行政は必ずや人々をより幸福にしてゆくことでしょう。試行錯誤していた試験方法も完成に近づくでしょう。ずるがしこく自分たちのために画策するものが少なくなれば、全体の学業試験成績が下がったとしても(受験戦争も緩和されるかもしれません)、人々に本当にやさしく、政治家におもねず、環境を大事にし、諸国民にも配慮し、愛おしむべき国家を模索する公務員が増えてゆきます。行政が第三者に思いやりがあり人々に奉仕しようとする志がある公務員で組織されるのであれば、主義主張を超えて、人に、環境にやさしい国づくりが出来ます。志を持った行政は志を持った政治家の指導的立場になれます。また、いいかげんな政治家の手助けはしなくなります。(政治改革にもつながります)思いやりがあるということは他国の人々を尊重することにもつながっています。(外交関係改善も期待できます)多くの国の行政機関が同様になればノルウェーのように和平の貢献が出来る国が多くなります。かくして有史以来難しかった平和は頭のよい人たちの合理的主張の対立によってではなく、こうした行政をもつ国家が導いてくれるようになってゆくでしょう。(世界平和への貢献)
【最後に】
最後まで読んでくださったことに感謝いたします。
しかし、感情的に無理だと思われた方にはいずれ提言するの予定の「公務員ご勇退のお勧め」を先立ってご提言申し上げます。
ありがとうございました。
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